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「オシムの言葉」を読んで

昨日、新生オシムジャパンは、初陣を見事に勝利で飾りましたね。
W杯の日本対ブラジル戦のあとで僕は、このブログに「日本代表の次期監督は誰だろう」と書きましたが、その時点でオシムさんのこと、まったく知りませんでした。

いやー。こんな名将が3年も前から日本にいたなんて。
テレビやスポーツ新聞などでオシムさんの言動に触れるにつれ、急激にオシムファンになった僕は、ついに今日、もっとオシムさんのことが知りたくなって、本屋で「オシムの言葉―フィールドの向こうに人生が見える」を買ってきて、3時間余りで一気に読破してしまいました。

感想。
感動しました。本を読んでちょっと涙ぐんでる自分にびっくり。
人によってはそこまでは思わないかもしれないけれど、僕にはぐっとくる内容でした。
オシムさんって、内戦で国が崩壊したサラエボの出身だったんですね。
その事を知った上で彼の話す内容を見ると、さらに深い意味が汲み取れるような気がします。

それにしても、なんでオシムさんのこと好きになったんだろう。
しばし自己分析。
トルシエ監督やジーコ監督の時には感じなかった手応え、将来への明るい予感、この人なら世界の強豪を相手に互角に戦える代表チームを作ってくれそうだ、そんな勝手な期待感からでしょうか。
いやいや、それだけではなく、オシム監督の言動の端々からかいま見えるその人間性に、僕がシンクロしたんだ、そんな風に思いました。

最近テレビのスポーツニュースなどで良く目にするようになった独特の練習法などは、何も昨日今日に始まったことではなく、この監督の長いキャリアのごく初期から行われてきたことなんですね。
そしてオシム監督がしばしば口にする「インテリジェンス」という言葉。そして90分走り抜くことの出来る選手を選ぶ、という姿勢。いやー、期待が持てます。

手元にあるスポーツ新聞から、印象に残ったオシム語録を拾ってみると・・・。
スポーツ報知(以下同)8月5日
初陣となるトリニダード・トバゴ戦先発メンバーを13人しか発表しなかったことに対して。
「サッカーは1チーム11人以上いれば試合は出来る。どうして、この13人を信用しないのか。この13人は90分間、走りきれる選手だ」
--初代表の選手も多い?
「だれもが最初は初心者です」
8月7日 代表招集後初となる大学生との練習試合を終えて
--試合前の指示は?
「軍隊ではないので試合前に命令を出すことはしてません。個人でアピールするような考えは捨てろ、普段通りの力を出せ、とは言いました」
--トリニダード・トバゴ戦のスタメンは?
「皆さんががっかりするかもしれませんが、決めていませんし決めるつもりもありません」
8月8日 トリニダード・トバゴ戦前日練習で最大7色のビブスを使用しての練習を終えて
--代表はクラブと違い時間が少ない
「時間があるか無いかは私が判断する」
--今日の7対7では3点しか入らなかったが、決定力不足に関しては。
「シュート練習をして100点入ればいいというのでしょうか。その数字にはなんの意味もない。専門家の皆さんから今日はDFが良かったというコメントがあってもいいのでは。日本に3点入れば勝利を意味すると思う。たった3点という言い方は正確ではない(後略)」
--練習を頻繁に止めたが。
「誰かがミスをしたら、それがミスだということを教えてあげなければいけない。練習を止められる。そのチャンスを生かした。試合では止められないから」
8月9日 初の代表戦の前の記者会見にて
--勝つことに重点を置くか
「勝つことと同時に分析も大切。しばしば勝つことと成功が同じように扱われるが、それでは誤った方向に進んでしまう(後略)」
「選手に対してはプレーだけではなく、振る舞い、考え、知性など要求が高くなりつつある。勝つことの中には色々なものが含まれている。だが、勝つとそういうものが見えない時がある。敗北は最大の教師。ここで負けたいんです、とは言えないが」
「チームとして賢く考えをまとめる。それを築いていけるか。それができれば、相手に『何をやってくるか分からない』という恐怖を与えることが出来るし、逆に相手が対応しても我々は対処出来る。そういうことが出来るインテリジェンスなチームを作り上げたい」
--キャプテンは
「時にスポンサーやマスコミにとって都合のいい人にやってほしいという願いがあるように思える。その場合、見栄えのするキャプテンが役に立たないこともある。キャプテンとは、なるための学校があるわけでなく、キャプテンとして生まれるものだ。ただし、民主主義というものは尊重しようと思う」

すいません。少々長くなりましたが、面白いので引用しました。
今後の、サッカー日本代表の活躍に期待大、です。
by idive | 2006-08-10 16:00 | 観る、聴く、読む
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