思わず3本潜りたくなる雲見 【2009年8月27日】
ポイント名 雲見
1ダイブ目:牛着岩スタンダードコース 2ダイブ目:牛着岩小牛横→ブルーコーナー→グンカン 3ダイブ目:三競 天気 晴れ 風向 なし 流れ 下り潮 波・うねり なし 気温 28℃ 水温 23℃〜26℃ 透明度 10〜12m 透視度 7〜8m 今日も鏡のように穏やかな水面でした。 水温は全体に上がり気味で、極端に冷たい所はなくなりました。潮は下り潮。それ程強くありません。透明度は白濁りが強くなって若干落ちましたが、それでも悪いとまでは言えません。まずまずの状態です。 そして天気よく、べた凪。つまりかなり恵まれた条件でのダイビングでした。平日で人が少なくまったりとした雰囲気だし、こんな日は思わず3ダイブしたくなっちゃいます。 そこで1本目はいつものスタンダードコース。初・雲見のゲストに牛着岩の素晴らしさを堪能して頂くには、やっぱりこのコースでしょう。 クレバスを落ちたら、まずは上を見上げましょう。天気のいい日には、差し込む光が複雑な地形とのコラボレーションで素敵な演出をしてくれています。クレバスを落ちてすぐに先へ進んでしまうのはもったいないですよね。(*^^*) 僕はここで必ずゆっくりと時間をとります。 壁を探せばウミウシも見つかります。今日はセトイロウミウシやニシキウミウシの幼体と大人になりかけの個体、リュウモンイロウミウシなどが見つかりました。 Hの穴は大きなトンネルです。出口が明るく見えていて、中に群れる魚がシルエットとなって泳いでいます。出た所はクランク。岩に囲まれた狭い空間ですが、何故かたくさん魚が群れています。今日はカゴカキダイの鮮やかな黄色が目立ちましたね。 クランクを出ればそこはもう牛着岩の裏側。沖へと抜けた所です。乱舞する魚たちを見上げたり、かき分けたりしながら先へ進むと、きれいな正三角形をしたトンネルが現れます。これは-24mのアーチ。壁にはハナタツがいますし、穴の周りにはたくさんのネンブツダイやクロホシイシモチが群れ、大きなマダイにイシダイ、テングダイ、時にはクエが隠れていることもあります。 そしてこの24アーチはスタンダードコースの折り返し地点でもあります。トンネルを抜けたら向きを変えて大牛方面へ。次に現れるのは見上げるほど大きな岩の下に口を開けるたて穴。V字型の横穴の突き当たりは上へと抜ける文字通りのたて穴になっています。そして最近このたて穴を上る途中にかわいらしいハナタツ(下記画像)が見つかりました。 ただこのハナタツ、ダイバーがたて穴を上がる時に蹴られそうな場所にいます。長く居着いてくれるといいのですが・・・。 たて穴を出たら水路を通って湾内へ戻ります。途中の水路下の洞窟では必ず振り向いて見て下さい。とても幻想的な風景を楽しむことが出来ます。迷宮の出口、三角穴を抜けたら湾内のブイめがけて泳ぐのですが、まだまだ気は抜けません。 砂地にはハナハゼのペアがひらひらと泳いでいますし、オレンジ色をしたアライソコケギンポ君(下記画像)が穴からひょうきんな顔を出している所も観察できます。 このコケギンポ君、ダイバーがライトを当てたり、カメラを近づけたりしても穴に引っ込んだりせず、豊かな表情で楽しませてくれます。たとえばこんな風に。 地形、魚群、マクロ。まったく盛りだくさんのダイビング、1本目が終了です。(*^^*) 2本目は牛着岩の裏側を横断しながらグンカンを目指す、欲張りなコース。 最初に見つけたのはトビエイ。砂地にじっとしていましたが、我々が近づいていくとふわりと浮いて飛び去っていきました。 次に見たのはビシャモンエビ。ムチカラマツにじっとしがみついています。 ここからHの穴上を通ってブルーコーナーへ。水深6、7mの浅い岩の上にはキンギョハナダイやスズメダイ、メジナにニザダイにアイゴといった魚が群れています。またニシキベラはグループ産卵の真っ最中。これ、いつまで続くんでしょうか? ブルーコーナーからふわりと中層を飛ぶように泳いでしばらく移動し、大牛の裏手へ。ここでベニサンゴガニの妖しい緑の目に魅入られたあと、大牛の洞窟でセンテンイロウミウシの複雑な模様を観察。キッカイソギンチャクに潜むアカホシカクレエビの透明な体を鑑賞し、グンカンへ。 根の上のイソギンチャク畑にはクマノミと、今年は数が少なく、たった一匹しかいない貴重なミツボシクロスズメダイを見ました。 そして3本目は三競へ。晴れた日が続いているので、三競の1番から5番まである各洞窟には、それぞれ趣の異なる光が差し込み、まさに絶景です。今、これを見なかったら、たぶん次はまた来年です。太陽の位置や高さ、光線の強さが、きっと今の季節、一番いいんでしょうね。僕はほとんど毎日のように三競に潜っていますが、それでも時間などが微妙にずれると、差し込む光の具合も異なります。なので見るたびに新鮮な驚きがありますね。 さて、ここからは本日のゲスト、廣瀬誠氏からいただいた画像の数々です。また上記記事中のハナタツなどの生き物の画像もすべて廣瀬氏撮影です。どうぞご堪能ください。 まずはイシダダミヤドカリ。腕の関節の所がピンク色ですね。脚やはさみには毛が密に生えています。伊豆ではごく普通に見ることの出来るタイプです。 小さなイバラカンザシもこうしたアップで見てみるとクリスマスツリーのようですね。実際、海外ではそう呼ばれているそうです。 オキゴンベです。割と地味な魚でガイドさんもあんまり指ささないと思います。背びれの先がチャームポイントですね。 オトヒメエビを正面からとらえた画像です。まるで目が合いそうな、そんな錯覚に陥ります。 オビアナハゼです。背びれの繊細な模様をご覧ください。まず肉眼で見ることは不可能です。 オルトマンワラエビ。雲見ではポピュラーな生き物ですが、この画像の中ではひとつのオブジェとして存在しています。 キンギョハナダイのメスです。この優しい色合いはどうでしょう。 サガミリュウグウウミウシを正面からとらえました。なんだか凄い迫力ですね。僕はウルトラマンに出てくる怪獣戦車を連想しました。アラフォーの男性なら分かってくれるはず。f ^ ^ *) ヒメギンポです。この魚は顔の部分が黒くなると婚姻色なのですが、画像の個体はノーマルな状態ですね。この魚も繊細な色彩をしています。 ホシキヌダガイです。最近こうして殻をくっつけている場面に遭遇します。見ただけだと分かりにくいですが、生殖行動をしているのでしょうね。 とても美しい貝ですね。一応ホソテンロクケボリガイとしておきますが、外套膜の模様、貝殻の色などホソテンロクケボリガイじゃない気もします。手持ちの図鑑をすべて当たってみましたが、これだ!と言えるような貝は見つけられませんでした。 ミヤコウミウシです。体にちりばめられたメタリックブルーの点々が特徴です。 最後は小型のヤドカリ君です。牛着岩でよく見かけます。だいたい背負った貝殻が2cm程度しかありません。ただ名前が分かりません。「海の甲殻類」図鑑を調べましたが該当する種が掲載されていない気がします。 素晴らしい生き物の写真を提供してくれた廣瀬さん、今回もどうもありがとうございました! 雲見のもっと詳しい情報はこちら! 器材でお悩みの方はこちらをチェック!
by idive
| 2009-08-27 23:46
| Diving Log
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