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設計に関する新しい動き

今年のゴールデンウィークは例年になく忙しかった。

そんな中、毎年のようにこの時期に潜りに来てくれるT子ちゃんが今年も来てくれた。
彼女とは今年で8年越しの付き合いで、彼女がまだ学生の頃に、僕の勤めるショップに潜りに来てガイドしたのが始まりだ。

そのT子ちゃんは一級建築士の資格を持ち、現在はとある設計事務所に勤めている。
そして、驚きの提案を、事も無げにしてくれた。

「あたしが家を設計してあげるよ」

彼女と、その友達2人の計3人でプロジェクトチームを組み、僕の家を設計してくれるというのだ。その費用は交通費等実費だけでいいという。

何というありがたい申し出。
そこで僕は家に対する要望を箇条書きにまとめたものを彼女に渡して、まずは最初のラフプランをお願いすることにした。

そしてせっかくの申し出に対して失礼なようだが、僕たちのイメージをうまく具体化してもらえそうだ、と見極めがついた上で、正式にお願いしようと思う。
もちろん、彼女たちにお願いすることになったら、店が出来た暁にはV.I.P待遇で常にもてなされることになるでしょう。当然です。
いや、楽しみになってきました・・・!
# by idive | 2006-05-05 09:55 | 独立へ

家を設計する、ということ

土地が決まったら、次は家だ。

家を持つには、いくつか方法があります。
まずは、中古、建て売りなど、既にあるものを購入する場合。
これは僕の場合には当てはまりません。

次に新築で、僕の場合もこれだが、依頼先によって大きく3つに分かれます。
ひとつは大手ハウスメーカー。ひとつは地元工務店。そして最後のひとつは設計事務所、いわゆる建築家、といわれる人とタッグを組む、という方法です。

僕の場合、最初からハウスメーカーに依頼するつもりはありませんでした。
理由として、テレビなどでばんばんCMを流し、あれだけ立派なモデルハウスをあちこちに建て、そのモデルハウスに行くだけでカラー大判のパンフレットを何冊も、惜しげもなく無料でもらえる。大勢の営業部員を抱え、利益を生まない間接部門の社員が何百人もいる。

これらのコストはどこに乗る?・・・もちろん家のコストに反映されるんです。
そりゃ、大手ならではの技術力や安心感はあるものの、メーカーによっては規格品のため間取りの自由がきかなかったりとデメリットもあり、これから自分の城を造ろう、という僕にはちょっと考えられない選択肢ではありました。

地元工務店。
実は見極めは難しいけれど、まじめにやっている地元工務店こそ、僕は生涯住み続ける家を造ってもらうにふさわしいパートナーだと考えました。家は造ったら、はいそこで終わり、という訳ではないですものね。地元の工務店なら何かあった時の対応も早そうです。
そして僕の場合、土地を世話してくれたのが地元のY工務店、ということもあり、ここにお願いするのが自然の流れ、のような感じになっています。
実際、この工務店が造った家を見せて頂きましたが、この家の施主の方もY工務店の社長の仕事ぶりをとても褒めていましたし、お家はすごく素敵でした。

・・・しかし!家の造りがしっかりしている、仕上がりもいい、ということと、見た目のセンスがいい、ということはまた全然別の問題だ、ということにも気が付いてしまった!!
そう、腕は間違いなく良さそうだから、建ててもらうのはここでいいと思うけど、設計までここにお願いしてしまっていいものだろうか・・・・?
Y工務店の社長はやる気満々だが・・・。

そこで第3の選択肢。設計事務所。
一般的に設計事務所に設計を依頼すると、工務店探しも設計事務所がやってくれることになります。ま、僕の場合工務店は決まっているので、あとはこれは、と思う設計事務所を見つけて設計を依頼し、工務店との3者共同で一軒の家を作り上げていく、という方法が、一番ベターなのかな、と思ったのですが・・・。

ちょっと気になるのは、この設計事務所に支払う設計料が、家本体価格の一割程度、とかなり高額なこと。少ない資金で家を建てよう、としている僕にとっては大きな問題です。

その一方で建築家は工務店の出してくる見積もりを専門家の目でチェックして無駄を見抜き、コスト管理もしてくれるということなので、結果的に設計事務所を入れた方が安く上がる、という声も聞かれます。

僕は実際、インターネットで探し出した建築家のOさんに最初のプランを作ってもらいましたが、確かに素晴らしい出来でした。
彼とは相性も良く、コストの点さえクリア出来れば、ぜひお願いしたいところなのですが・・・。悩み所です。

それにY工務店の社長に設計事務所を入れようか検討中だ、と言うと、それは構わないがあなたは限られた資金の中で家造りをするのに設計事務所を入れるのはもったいない、うちでも充分ちゃんとした家を設計することが出来る、と言われてしまいました。
(あなたの設計する家がださいんじゃないかと思ってる、なんて言えなかった!!!)

あああ〜、どうする、俺!
工務店に設計まで任せるのか、それとも設計事務所に依頼するのか?
どうするのよ?どっち??
# by idive | 2006-04-28 09:10 | 独立へ

土地、仮契約

いよいよ仮契約の日。
前回の訪問で、銀行からの借り入れがほぼOKとなった日に、では土地の仮契約を、という話になった。
そして本来なら「大安」がいいが、その日に僕らが休めない、とわかると、では「先勝」の日の今日、それも午前に契約を交わしましょう、という段取りに。
なるほど〜、今まで大安だとか仏滅だとか気にしたこと無かったけど、土地とかの大きな契約をする時って、今でもちゃんと気にしてるんですね。
そう言えば、KDCMの船も大安の日に契約、そしてやはり大安の日に就航する、と聞いた。

契約の前に、少し時間があったので土地を見に行った。
すると、土をトラクターで掘り起こした跡があった。
早く契約しないと、売り主が今年も田んぼを作っちゃう、と言っていたのはウソではなかったようだ。

そして、僕らはY工務店の事務所に10時少し前に伺った。
その前に銀行に寄り、手付け金(土地代金の10%)と仲介手数料の半額を口座から下ろした。
土地代金の一割とは言え、こんな大金を持ったことがないので緊張する。

事務所に到着すると、宅地建物取引主任者のHさんを紹介された。
かなり年配の人の良さそうなおじさんである。
さっそく土地の取引に関する重要事項の説明を受ける。
これは「重要事項説明書」という書類を、Hさんが朗読する、という形で行われる。

その内容とは、件の土地の道路付けや建築基準法、都市計画法に基づく制限の有無、電気、水道などのインフラの有無や区分、引き渡し時の形状や構造、代金や契約の解除に関する事項、などなど、多岐にわたる。

僕が購入する土地は現況田んぼで建物などはもちろん無く、また売り主は1人で土地に担保の設定など何もなく、非常にシンプルな取引だった。
しかし、何しろ土地である。生まれて初めてこの地球上に、その表面の一部を自分のものとして所有することになったのだ。

緊張した。

かなりの老眼らしい宅建主任者の朗読は時に読み間違え、言いよどみ、決してスムーズと言えるものではなかったが、僕らは一言一句聞き漏らすまい、と前のめりになって聞いていた。
これが終わると、今度は売り主のIさんを交えて契約書の説明。
内容は先ほどとほぼ同じ。
そして最後に署名捺印し、現金を渡して、仮契約終了。

地べたを持つ。

この田んぼに、僕は家を建てるのだ。
土地、仮契約_f0053895_21313437.jpg

# by idive | 2006-04-26 21:38 | 独立へ

土地への疑問

土地の手付け金(土地代金の10%)を払うことになった。
来週は月曜日が「大安」。しかし我々が2人とも休めないため水曜日の「先勝」の日の午前中に仮契約を結ぶ段取りになった。

しかし、いざ契約することが決まると、本当にこの土地でいいのか、という疑問、不安が頭を持ち上げてくる。

現状は思い切りたんぼだが、地盤などゆるくても家は建つのか?
本来であれば、まず地盤調査を売り主側が行い、間違いなく家は建つ、という確証が得られた時点で売りに出すべきなのではないか?
裏を返せば、そのような保証のない状態で仮契約をしてしまっても大丈夫なのか?
などなどなど。

この疑問をY工務店にぶつけてみる。
1時間半くらいに渡って疑問点をぶつけ、その度にY工務店の社長は誠実に答えてくれた。

地盤調査は本契約の前に、専門の業者に頼んできちんと証明書を発行してもらう。
購入予定の土地は、支持地盤が浅い事が予想される。現状は田んぼだが、表面の土を削ってしまえば影響はない。
地盤調査の結果を見ないと何とも言えないが、基本的に3種類ある地盤改良の方法のうちのどれかでしっかりとした地耐力を確保出来るはず。
仮に支持地盤が深くて届かなくても、方法はあるので問題はない。
こちらも狭い田舎で長年商売をしてきており、いい加減なことをすれば、即評判となり顧客を失う。なので絶対に顧客に迷惑をかけるようなことはしない。

話しぶりは訥々として、どんな疑問にも答えますよ、という誠実さが伺える。
また地元で長年商売してきた、という実績と、そこから来る自負が我々に信用を与える。
それに地盤調査の結果などきちんと書面で交付してくれると言うし、去年より問題となっている一連の耐震偽装問題以来、そうした部分は法律的にも厳しくなってきているという。
実際、地元の役所に書面を提出し、間違いなく家を建てても大丈夫な土地だということでお墨付きをもらえなければ、今は家を建てることは出来ないのだ。
一昔前のいい加減な施工は許されないのだ、ということを言葉を尽くして説明してくれた。

以上は全て口約束、と言えば言える。
しかし手付け金は、万が一土地を買わなかった場合取り戻せる種類のお金だし、手付けを払わなければ次のアクションが起こせない、ということであれば、こちらとしてもどこかで納得して決断するしかない。

そして、たぶんそのタイミングは、今だ。
# by idive | 2006-04-20 23:07 | 独立へ

銀行と、初めてのプレゼン

午前中、松崎の静岡銀行を訪れる。
さっそく、応接室に通され、支店長と融資担当者2名が現れる。
我々夫婦双方の実家からの資金援助、少ない所得など現状を話し、融資が可能かどうか尋ねる。

融資担当者がしばらく電卓を叩いたあと、可能と答えてくれた時ははっきり言ってほっとした。
そして融資限度額は我々の予想を遙かに超える額だった。
やはり、自己資金の多さがものを言ったらしい。ほっとした。

その後、Y工務店にて融資可能の報告。さっそく土地購入に向けて、手付け金を払う段取りをする。
土地は、まず手付け金として土地代金の一割と仲介手数料の半額、その後実際に登記して土地が自分の名義になった時に残金、という段取りらしい。

そして午後、場所を変え、家の間取りに関するプレゼンに臨む。
これは以前ネットで調べてコンタクトを取った伊東にある設計事務所に依頼してあったラフプランのプレゼンだ。

待ち合わせの時間に5分遅れて、設計士のOさん登場。
さっそくプレゼンに入る。
OさんはA3の用紙6枚を、いったいどんなプランだろうと興味津々で待ちかまえている我々に提出した。

Oさんは35才、独立してまだ2年の新進気鋭の建築家だ。
しかし朴訥とした風貌の中に時折鋭い感性を閃かせる様はなかなか堂に入っていて、人好きのする雰囲気と相まって、すごく好感が持てる。

しかし、口はあまり達者ではなく、プレゼン慣れもしていない様子。
図面を広げたあともしばらく黙っていたが、待ちかまえている我々の雰囲気にようやく気づいたのか、慌てて説明を始めた。

まず一枚目は僕ら夫婦の要望をコンセプトとしてまとめたもの。
2枚目からはA案。これは、予算など度外視して僕ら夫婦の要望を全て取り入れたらどうなるかを形にしたもの。延べ床面積53坪(倉庫4坪含む)のプラン。
流石にこれは大きすぎ、また2階へ上がる階段がゲスト用とプライベート用と2つあるなど、無駄というか贅沢すぎる、と感じる部分も多々あり。

そして4、5枚目がB案。こちらは延べ床面積45坪(倉庫4坪含む)のプラン。
倉庫をのぞいた本体部分の広さは41坪とほぼ要望通り。それでいて僕らがこうだったらいいな、という希望をほぼ網羅した内容。

この案は実によく僕らの希望を整理して形にしてあり、見れば見るほど良くできている。
初めてOさんに会った時に口頭で伝えた内容と、あとからメールで数回に分けて追加した内容、たったこれだけのコミュニケーションで、ここまで文句の付けようのないほぼ完璧に見えるプランが出てきたことに驚いた。

もちろん、この他にもいいプランはあるだろう。
また、まず間違いなく一生一度の買い物で、買い直しがきく訳でもなく、たぶん死ぬまで住み続けるであろう家に対し、軽々しい判断は慎むべきだ。
本来なら、同じ要望を別の設計士なり工務店に伝えてプランの作成を頼むのが筋だろう。
だが、たぶんこの人にこのまま設計を依頼しても間違いないだろう、という根拠のない確信のようなものが僕の中に芽生えつつあった。

もちろんその場では契約云々、については口にせず、資金繰りや土地の問題がクリア出来たら連絡する、とだけ言って、この場は分かれた。
ただし、プラン、特にB案を凄く気に入ったことは伝えておいた。
銀行と、初めてのプレゼン_f0053895_22584060.jpg

# by idive | 2006-04-19 22:13 | 独立へ